去る11月3日、ドイツフェスティバルでディプロムビアソムリエによるワークショップを開催しました。2018年の初開催から数えて4回目。ビギナー向けの内容だった当初から年々深掘りが進み、今年はドイツのサワービール&ヒストリカルビールという、かなり通向きのテーマに。会費も5000円にグレードアップし、他のワークショップよりも高めでしたが、お集りの皆さんには楽しんで頂けたようです。
個性豊かなテイスティングビールのラインナップ。フェスティバルの出店では、オクトーバーフェストなどで馴染みのある典型的なドイツのビアスタイルが多かった中、ワークショップでしか飲めない味わいのアイテムを揃えました。
ドイツのサワービール4点。いずれも、一度は廃れたヒストリカルなビールのスタイルを踏襲し、今に復刻したものです。
左から順に、
1.Schneeeule Marlene
ビアスタイル:ベルリーナー・ヴァイセ
50年も昔のビール瓶から取り出した酵母を復活させ、瓶内二次発酵でビールを醸造。ブレタノマイセスによる複雑な香りが特徴的な、深みのある爽やかな酸味楽しめます。
2.Ritterguts Gose
ビアスタイル: ゴーゼ
コリアンダーと塩を加えて醸造するライプツィヒの伝統的白ビール。乳酸発酵によるまろやかで調和のとれた酸味が爽やか。
3.Ritterguts Lichtenhainer Weisse
ビアスタイル: リヒテンハイナー
テューリンゲン州のイエナの歴史的なビールが2022年に復刻されたもの。やわらかな酸味とスモーキーなフレーバー。
4.Das Freie Broyhan
ビアスタイル: ブロイハン
ハノーファーの歴史的に有名なビアスタイル。16世紀に醸造されていたレシピを基に再現されました。ハーブやスパイスが香る甘酸っぱい味わい。
最後の1本はベルギーのバレルエイジドビール。
5.Oud Beersel Oude Geuze Barrel Selection Whisky Port Wood Edition 2020
ビアスタイル:ランビック
樽熟成したランビックを、更にポート樽熟成ウイスキーの樽に入れて寝かせた希少なビール。複雑味のある香りをしっかり感じ取るため、ひとまわり大ぶりのテイスティンググラスで。
講師を務めたのは、国際資格ディプロムビアソムリエ保有者で、国内最大級ドイツビール通販サイトbier.jpを運営する西紀之さん。手にしているグラスは、ドイツの老舗グラスメーカー、ラスタル社の『TEKUグラス』。イタリアの醸造家Teo Musso氏と官能評価のスペシャリストでもある世界的ビール専門家Lorenzo “Kuaska” Dabove氏のデザインによリ生まれた、世界最高峰のビールグラスです。ご参加の皆さんにはお土産にお持ち帰り頂きました。
ビールのサービスとフードペアリングの解説は、ジャパンビアソムリエ協会の山上昌弘会長。合わせたのは、プンパーニッケルにバターとチーズ、フランクフルターソーセージとグルケ(ガーキン)などドイツフェスティバルらしいフード。そして、いぶりがっこチー鱈にツナマヨおにぎり、薩摩芋の甘納豆、練羊羹などの実験的な組み合わせに、最初はざわつきの声も上がりましたが、最終的には好きな組み合わせの中に、これらを選ぶ人も。
盛りだくさんの内容で、あっと言う間の60分。皆さん、笑顔でお帰り頂けたのが何より嬉しいことでした。